単位が取れるようにわかりやすい参考書が知りたいな。
院試勉強用の参考書は何を選べばいいのだろう?
熱力学の参考書はたくさんあり、どれを選べば良いか迷うものです。
そこで、レベル別・用途別におすすめの熱力学の参考書・問題集をランキングにしました。
レベル別・用途別は以下のように分けています。
1. 初学者向け
まずは、初学者用の参考書について紹介していきます。
初学者の定義やランキングの基準は以下の通りです。
参考書ごとにどんな人に向いているか書いてあるので、自分に合ったものを選べるように参考にしてください。
1位 単位が取れる 熱力学ノート
難易度 | 初学者向け | |
わかりやすさ | かなりわかりやすい | |
単元の網羅性 | 初学者に十分な範囲 |
講義01 熱力学の学び方
講義02 状態方程式
講義03 内部エネルギーと熱力学第一法則
講義04 比熱(熱容量)
講義05 熱力学第二法則
講義06 エントロピーの導入
講義07 エントロピーの計算
講義08 熱力学関数
付録 やさしい数学の手引き
2位 熱力学キャンパス・ゼミ (マセマ)
難易度 | 初学者向け | |
わかりやすさ | かなりかわかりやすい | |
単元の網羅性 | 統計力学の触りもあり |
講義1 熱力学のプロローグ
講義2 熱平衡と状態方程式
講義3 熱力学第1法則
講義4 熱力学第2法則
講義5 エントロピー
講義6 熱力学的関係式
講義7 マクスウェルの速度分布則
単位が取れる熱力学ノートとこの本は甲乙つけがたいぐらいどちらもわかりやすいので、好みに応じて選んでください。
3位 理解しよう熱・統計力学
難易度 | 初学者向け | |
わかりやすさ | 簡潔 | |
単元の網羅性 | 必須項目に絞っている |
第1章 熱力学の主要概念
第2章 熱力学を学ぶための数学
第3章 熱力学の基礎
第4章 熱機関・絶対温度・第二法則
第5章 熱力学ポテンシャル
第6章 相平衡と化学ポテンシャル
第7章 熱力学不等式
第8章 気体液体転移
第9章 熱力学第三法則
第10章 統計力学の基礎
第11章 古典気体への適用
第12章 局在磁気モーメントによる磁性
第13章 量子力学からの帰結
第14章 量子理想気体の熱力学ポテンシャル
第15章 光子気体とフォノン気体
第16章 単原子分子量子理想気体
第1章 熱力学の主要概念
1.1 温度と状態方程式
1.2 熱平衡状態と熱
1.3 過程と仕事
演習問題
第2章 熱力学を学ぶための数学
2.1 偏微分と全微分
2.2 微分形式と線積分
2.3 完全微分とその成立条件
2.4 定理2.1の証明
2.5 熱力学と数学
演習問題
第3章 熱力学の基礎
3.1 熱力学第一法則と第二法則
3.2 平衡熱力学
3.3 理想気体への適用
演習問題
第4章 熱機関・絶対温度・第二法則
4.1 熱機関と絶対温度
4.2 第二法則の異なる表現とその等価性
演習問題
第5章 熱力学ポテンシャル
5.1 孤立系とエントロピー
5.2 変化の向きと熱力学ポテンシャル
演習問題
第6章 相平衡と化学ポテンシャル
6.1 二つの相からなる系の熱力学
6.2 多成分系の相平衡
演習問題
第7章 熱力学不等式
7.1 不等式のまとめ
7.2 最小のための必要条件(数学)
7.3 熱平衡条件
7.4 ルシャトリエの原理
演習問題
第8章 気体液体転移
8.1 ファンデルワールス方程式
8.2 臨界点と無次元化
8.3 気体液体転移とマクスウェルの規則
8.4 ジュール-トムソン効果
演習問題
第9章 熱力学第三法則
9.1 熱力学第三法則
9.2 第三法則からの帰結
演習問題
第10章 統計力学の基礎
10.1 エントロピーの統計力学的表式
10.2 平衡確率分布と熱力学ポテンシャル
10.3 量子統計力学の極限としての古典統計力学
演習問題
第11章 古典気体への適用
11.1 単原子分子理想気体
11.2 二原子分子理想気体
11.3 相互作用のある古典気体
演習問題
第12章 局在磁気モーメントによる磁性
12.1 自由な磁気モーメントの磁性
12.2 強磁性と自発的対称性の破れ
演習問題
第13章 量子力学からの帰結
13.1 一粒子系の量子力学と状態密度
13.2 同種多粒子系の量子力学
演習問題
第14章 量子理想気体の熱力学ポテンシャル
14.1 大分配関数
14.2 熱力学ポテンシャル
14.3 積分の評価
演習問題
第15章 光子気体とフォノン気体
15.1 光子気体
15.2 フォノン気体
演習問題
第16章 単原子分子量子理想気体
16.1 単原子分子理想気体
16.2 低温のフェルミ粒子系
16.3 低温のボーズ粒子系
演習問題
証明などが物足りないと思ったら、上記1,2位のどちらかを併用して使うといいです。
2. 演習用・定期テスト対策
次に、演習用・定期テスト対策用の問題集について紹介していきます。
このセクションでのターゲットとランキングの基準は以下の通りです。
1位 演習しよう熱・統計力学
難易度 | 基礎から院試難問まで | |
解説の丁寧さ | 程よく丁寧 | |
問題の質 | 良問 | |
問題量 | 全大問 120問程度 熱力学 : 65問程度 | |
単元の網羅性 | 典型的な範囲は網羅 |
第1章 熱力学を学ぶための数学
1.1 偏微分・全微分・線積分
1.2 微分形式と完全微分
1.3 熱力学と数学
第2章 熱力学の基礎法則
2.1 熱力学第一法則
2.2 熱力学第二法則
2.3 熱力学第三法則
第3章 熱力学の展開と応用
3.1 熱力学ポテンシャル
3.2 化学ポテンシャルと相平衡
3.3 熱力学不等式
3.4 ファンデルワールス方程式と気体液体転移
第4章 統計力学の基礎
4.1 エントロピーの統計力学的表式
4.2 平衡確率分布と熱力学ポテンシャル
第5章 古典系への適用
5.1 古典気体への適用
5.2 局在磁気モーメントによる磁性
第6章 量子力学からの帰結
6.1 一粒子系の量子力学と状態密度
6.2 同種多粒子系の量子力学
第7章 量子系への適用
7.1 フェルミ分布とボーズ分布
7.2 光子気体とフォノン気体
7.3 単原子分子理想気体
2位 大学演習 熱学・統計力学
難易度 | 基礎から難問まで | |
解説の丁寧さ | 論理的で丁寧 | |
問題の質 | 良問 | |
問題量 | 全大問 400問程度 熱力学 : 200問程度 | |
単元の網羅性 | かなり広い |
1.熱力学的状態,熱力学第1法則
2.熱力学第2法則とエントロピー
3.熱力学関数と平衡条件
4.相平衡および化学平衡
5.統計力学の原理
6.カノニカル分布の応用
7.気体の統計熱力学
8.Fermi統計とBose統計の応用
9.強い相互作用をもつ系
10.ゆらぎと運動論
1.熱力学的状態,熱力学第1法則
基礎事項
1.1 熱力学の対象
1.2 熱平衡の概念(熱力学第0法則)
1.3 熱力学的な接触
1.4 熱力学的な量
1.5 変化の過程
1.6 熱力学第1法則
1.7 熱量
1.8 無限小過程についての熱力学第1法則
1.9 温度
1.10 熱容量,比熱
1.11 状態方程式
1.12 独立変数の変更
例題
演習問題
問題解答
2.熱力学第2法則とエントロピー
基礎事項
2.1 可逆過程と不可逆過程
2.2 補助定理(Carnotサイクル)
2.3 熱力学第2法則
2.4 一般的なCarnotサイクルの効率
2.5 絶対温度
2.6 任意のサイクルに関するClausiusの不等式
2.7 エントロピー
2.8 エントロピーの相加性
2.9 第2法則の一般的表現
2.10 実際に起こる変化の向き
2.11 最大仕事と最小仕事
例題
演習問題
問題解答
3.熱力学関数と平衡条件
基礎事項
3.1 熱力学関数
3.2 Legendre変換
3.3 Gibbs‐Duhemの関係
3.4 若干の熱力学的量の定義および熱力学関係式
3.5 熱力学第3法則(Nernst‐Planckの定理)
3.6 二つの系の間の平衡
3.7 与えられた環境のもとにおける熱平衡条件
3.8 熱力学の不等式
3.9 Le Chatelier‐Braunの原理
例題
演習問題
問題解答
4.相平衡および化学平衡
基礎事項
4.1 相
4.2 純粋物質の異なる相の間の平衡
4.3 表面張力
4.4 異なる相にある多成分系の平衡
4.5 Gibbsの相律
4.6 気体の化学ポテンシャル
4.7 液体および固体における化学ポテンシャル,飽和蒸気圧
4.8 理想希薄溶液
4.9 理想溶液(理想的固溶体)と正則溶液
4.10 溶液の濃度の表し方
4.11 活動度および活動度係数
4.12 強電解質溶液
4.13 化学平衡
4.14 電池の熱力学
4.15 熱力学第3法則の応用
例題
演習問題
問題解答
5.統計力学の原理
基礎事項
5.1 微視的状態
5.2 統計力学的な見方
5.3 等重率の原理とミクロカノニカル集団
5.4 巨視的状態の熱力学的重率とエントロピー
5.5 状態数および状態密度
5.6 統計熱力学的に正常な系
5.7 二つの系の接触
5.8 準静的断熱過程
5.9 接触する二つの系の平衡
5.10 熱力学の基本法則
5.11 最も確からしい状態,ゆらぎ
5.12 カノニカル分布
5.13 一般的なカノニカル分布
5.14 分配関数と熱力学関数
5.15 Fermi統計,Bose統計,Boltzmann統計
5.16 エントロピーの一般的な定義
例題
演習問題
問題解答
6.カノニカル分布の応用
基礎事項
6.1 分配関数Z(β)の一般的性質
6.2 大きい系についての漸近評価
6.3 漸近評価と熱力学関数のLegendre変換
6.4 大分配関数Ξ
6.5 一般的なカノニカル分布に関する分配関数
6.6 古典的位置分布関数
6.7 密度行列
例題
演習問題
問題解答
7.気体の統計熱力学
基礎事項
7.1 理想気体の分配関数
7.2 気体分子の内部自由度と分配関数
7.3 混合理想気体
7.4 分子間相互作用
7.5 クラスター展開
例題
演習問題
問題解答
8.Fermi統計とBose統計の応用
基礎事項
8.1 Fermi統計の基本公式
8.2 Fermi分布関数
8.3 結晶体内電子のエネルギーバンド
8.4 空孔
8.5 半導体
8.6 Bose統計,液体ヘリウム
例題
演習問題
問題解答
9.強い相互作用をもつ系
基礎事項
9.1 分子場の近似
9.2 Bragg‐Williamsの近似
9.3 協力現象
9.4 荷電粒子に対する平均ポテンシャル
9.5 Debye‐Hueckelの理論
9.6 粒子系の分布関数
例題
演習問題
問題解答
10.ゆらぎと運動論
基礎事項
10.1 ゆらぎ
10.2 衝突数
10.3 Boltzmannの輸送方程式
例題
演習問題
問題解答
熱力学が院試で必要な人は、演習しよう熱・統計力学とセットであれば心強いです。
3位 弱点克服大学生の熱力学
難易度 | 標準的 | |
解説の丁寧さ | 丁寧 | |
問題の質 | 良問 | |
問題量 | 大問105問 | |
単元の網羅性 | 広い |
1 熱力学の基礎
2 熱力学第1法則
3 熱力学第2法則
4 微視的熱理論
5 相平衡・相転移
6 発展的なトピック
3. 院試対策向け
最後に、院試対策向けの問題集について紹介していきます。
これから紹介する問題集は、熱力学以外の問題も収録されています。
なので、他の物理や数学の院試対策としても使えます。
ランキングの基準は以下の通りです。
1位 演習大学院入試問題物理学Ⅰ
難易度 | 難問 | |
解説の丁寧さ | 丁寧 | |
問題の質 | 良問 | |
問題量 | 全大問 140問 熱力学 : 30問程度 | |
単元の網羅性 | 院試にも十分 |
第1編 力学
第2編 連続体力学
第3編 熱学
第4編 光学
第1編 力学
1-1 力学
1-1-1 ニュートンの運動の3法則
1-1-2 重力場中の運動
1-1-3 振動
1-1-4 運動量
1-1-5 角運動量と力のモーメント
1-1-6 仕事とエネルギー
1-1-7 運動量,角運動量,力学的エネルギー保存則
1-1-8 重心座標と相対座標
1-1-9 中心力と惑星の運動
1-1-10 衝突
1-1-11 運動している座標系での運動
1-1-12 慣性モーメント(能率)
1-1-13 固定点をもつ剛体の運動
1-1-14 オイラーの運動方程式
1-1-15 釣り合い
1-1-16 仮想仕事の原理
1-1-17 質量が変化する運動
1-2 解析力学
1-2-1 ラグランジュの運動方程式
1-2-2 基準振動
1-2-3 格子振動
例題1.1~1.12
問題研究1.1~1.31
第2編 連続体力学
2-1 弾性体力学
2-1-1 (拡張された)フックの法則
2-1-2 ヤング率,ポアッソン比
2-1-3 等方弾性体の運動方程式
2-1-4 等方弾性体の釣り合いの式
2-2 弾性振動
2-2-1 膜の振動
2-2-2 棒の振動
2-2-3 弦の振動
2-3 流体力学
2-3-1 流体力学の基礎方程式
2-3-2 完全流体(μ=0)
2-3-3 粘性流体(μ≠0)
2-3-4 圧縮性流体(ρ≠const)
2-3-5 電磁流体方程式
2-3-6 プラズマの基本パラメータ
例題2.1~2.6
問題研究2.1~2.30
第3編 熱学
3-1 熱力学の基礎法則
3-1-1 熱力学第1法則
3-1-2 熱力学第2法則
3-1-3 クラウジウスの不等式
3-1-4 カルノー・サイクル
3-2 熱力学関数
3-3 熱力学の諸関係式
3-3-1 マクスウェルの関係式
3-3-2 熱容量(比熱)
3-4 理想気体
3-4-1 ボイル-シャルルの法則
3-4-2 マイヤーの関係
3-4-3 ポアッソンの式
3-4-4 原子分子の定積熱容量(定積モル比熱)
3-5 実在気体
3-5-1 ファン・デル・ワールスの式
3-5-2 ビリアル展開
3-6 ジュール-トムソン効果
3-7 相平衡
3-7-1 2相平衡
3-7-2 クラウジウス-クラペイロンの式
3-8 熱伝導
3-8-1 熱伝導率
3-8-2 熱伝導方程式
例題3.1~3.5
問題研究3.1~3.28
第4編 光学
4-1 波動光学
4-1-1 干渉
4-1-2 回折
4-2 偏光
4-2-1 偏光の定義
4-2-2 光の強さ
4-2-3 ファラデー効果
4-3 幾何光学
4-3-1 フェルマーの原理
4-3-2 光線方程式
4-3-3 アイコナール方程式
4-3-4 球面による結像(近軸光線)
4-4 量子光学
4-4-1 光の吸収,放出
例題4.1~4.6
問題研究4.1~4.33
問題解答
付表
索引
2位 機械系大学院への四力問題精選
難易度 | 旧帝大レベル | |
解説の丁寧さ | 丁寧 | |
問題の質 | 良問 | |
問題量 | 全大問130問程度 各分野大問30問程度 | |
単元の網羅性 | 典型範囲の大枠は網羅 |
1 材料力学(棒の引張りと圧縮(単純応力問題)2次元応力状態 など)
2 機械力学(立体的な力のつり合い;質点と剛体の動力学 など)
3 熱力学(熱力学の基礎事項;熱と仕事 など)
4 流体力学(静止流体の力学;流体力学の基礎方程式と境界条件 など)
3位 解法と演習 工学系大学院入試問題
難易度 | 基礎から難問まで | |
解説の丁寧さ | 丁寧 | |
問題の質 | 普通 | |
問題量 | 全大問 140問程度 熱力学 :20問程度 | |
単元の網羅性 | 物足りない部分あり |
第1部 数学
1 線形代数
2 微分積分、微分方程式
3 ラプラス変換、フーリエ解析
4 複素関数論
5 確率
第2部 物理学
6 一般力学
7 弾性力学・流体力学
8 熱力学
4. 参考書を10%OFF で買う方法
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(ⅱ) 氏名、メールアドレス、パスワードを記入して、次に進むをタップします。
(ⅲ) 先程記入したメールアドレスに確認コードが届くのでそちらを画面に従って記入して下さい。
④ 学生認証
(ⅰ) 学生認証方法を選び、記入して下さい。
(ⅱ) 卒業予定年月を選択して下さい。
⑤ お支払い方法の選択と記入
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5. 迷ったらこれ
5.1 初学者
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5.2 演習用・定期テスト対策
定期テスト・院試対策用に作られた問題集で、典型問題ばかりで良問揃いです。
5.3 院試対策用
基礎物理学の院試問題集で、力学,連続体力学,熱学,光学が収録されています。