大学の研究室は何をしている? 研究、ゼミ、卒論について徹底解説

研究室訪問・研究室

大学の研究室って何してるんだろう?

大学の研究ってどんな感じなんだろう?

この記事では、上記のような疑問に答えます。

結論からいうと、大学の学生が研究室で行っていることは以下の3つのことです。

大学の研究室で行っていること

  • 研究(実験)
  • ゼミ
  • 卒業論文の作成と発表

では、研究室とはどのようなものなのかということをまず説明し、それから具体的に行っていることを解説していきます。

1. 研究室

まず、大学の研究室には、教授を中心として准教授、助教授、補佐、学生(博士、修士、学士)が様々なテーマにおいて研究を行っています。

研究を円滑に行うために、実験だけではなく、ゼミなどのミーティングが行われています。

1.1 配属

大学によりますが、内部進学の場合、学部3年の12月頃に研究室訪問を行い、学部4年の4月に配属が決定されます。

配属の決め方は以下の通りです。

配属の決め方

  • 学生同士で話し合い
  • 成績の良い人から選択
  • 学生の希望をとって教授がドラフト

配属の決め方は大学によって様々です。

1.2 単位を取るには研究室に必ず配属される

学部生が大学を卒業するには、決められた単位を取得することが必要です。

その単位の中に、研究室に配属してからしか取れない必修である単位は以下の通りです。

研究室に配属してからしか取れない必修である単位

  • 輪講
  • 外国語講読
  • 卒業実験及び演習

名称は大学によって様々です。

2. 研究

研究をしたことがない人にとって、研究がどのようなものなのか想像することは難しいと思います。

そこで、材料の研究を例にしてどのように研究を行うのか流れに沿って解説していきます。

研究の簡単な流れ

試料の作製

データの解析


次回実験の相談

では、1つずつ解説していきます。

2.1 試料の作製

試料の作製は、学部で行うような実験のイメージと同じで、私は実際に半導体を溶液から作製していました。

初めは教授や先輩が実験器具の使い方・研究内容の説明を詳しくしてくれるので、心配はいりません。

ただ、研究は授業と違って、実験器具1つでもかなり深い理解が求められます。

一度やり方を習得すれば、後は基本的に8割以上行う実験は同じです。

慣れればそんなにしんどくなさそうだね。

2.2 データの解析

試料を作製したら、その試料を評価・実験結果の分析を行います。

実験で得たデータを、パソコンを使ってグラフにしたりして、整理します。

研究によっては、試料作製(実験)の待ち時間に行ったりもします。

2.3 次回実験の相談

データの解析を踏まえて、次にどのような実験を行うのかを決めます。

次に何をすればよいか困った場合は、教授に相談をしたりします。

次の実験が決まれば、試料の作製を行うという流れで繰り返します。

3. ゼミ

研究室のセミナー(ゼミ)は教授陣と学生を含む研究室のメンバーで、研究についてのミーティングを行います。

ゼミは研究室によって行うことは異なりますが、一般的には大学の卒業に必要な単位になっている以下のものを行います。

ゼミで行うこと

  • 外国語輪読(論文紹介)
  • 輪講(テキストの解説)
  • 進捗報告

3.1 外国語輪読(論文紹介)

外国語輪読のゼミでは、英語で書かれた論文を紹介します。

紹介する論文は、自分でGoogle Scholarから探したり、教授から与えられた論文を紹介したりします。

発表の仕方は、PowerPointに図や表を張り付けて、論文をわかりやすくまとめて紹介ます。

ペースとしては1週間に1人紹介するので、2,3か月に1度程度でしょう。

頻度は、研究室の人数によって変わります。

3.2 輪講(テキストの解説)

研究を円滑に進めるために、その研究室での専門分野のテキストを順に解説していきます。

論文紹介と同様に、自分が担当になった場合、決められた範囲のテキストの部分をPowerPointにまとめて発表します。

1つのテキストをみんなで解説しあって理解していきます。

3.3 進捗報告

研究の進捗具合と次回の実験をPowerPointにまとめて発表します。

スタイルとしては週に1回全員が発表するか、週に1回1人発表するかなど様々です。

ゼミではプレゼンをする機会が多いんだね。

4. 卒業論文の作成と発表

卒業論文は、作成するだけではなく、それを簡単にまとめて発表することも必要になります。

では、卒業論文の作成と発表について詳しく解説していきます。

4.1 卒業論文の作成

卒業論文はそのまま大学院に進むとしても、学部を卒業するために書く必要があります。

卒業論文は、12月ぐらいから書き出して、2月に提出締め切りであるのが一般的です。

大きな構成としては、背景・実験概要・結果と考察・結論になります。

量としてはword30ページ分程度になります。

しかし、自分が実験したことのやり方と分析を書くだけなので気か付けば文字数は多くなっています。

大変なのは、教授に何度も再提出を求められることです。

4.2 卒業研究発表

卒業論文の提出とは別に、卒業研究の発表が学科ごとで2月中旬ぐらいにあります。

PowerPoint7スライド程度に、自分の研究をまとめて制限時間5分程度で発表を行います。

その後、同じ学科の教授との質疑応答が3分程度あります。

この卒業研究発表と卒業論文を提出して、OKをもらうと卒業実験及び演習の単位がもらえます。

5. 研究室の選び方

研究室の選び方は、少なくとも1年間過ごすので、重要になってきます。

研究室の選ぶ時の優先順位は以下の通りです。

研究室の選ぶ時の優先順位

  1. 研究内容
  2. 歓迎度(外部生)
  3. 教授との相性
  4. 学生の雰囲気
  5. 入試の難易度
  6. コアタイム
  7. 研究成果
  8. 研究設備

詳しい研究室の選び方は以下の記事をご覧ください。

【外部生必読】研究室の選び方は?ランキング形式で8個の基準を解説 | 院試ストラテ (today-hakken.com)

6. Q&A

これからは、研究室に関するよくある質問に対して答えていきます。

6.1 Q.1日どれぐらい研究室にいますか?

1日だいたい、私は10時から18時ぐらいまで研究室にいます。

実験の兼ね合いで早く終われば早く帰ることもありますし、その逆もあります。

基本的にコアタイム(拘束時間)がなければ、自由です。

6.2 Q.どれぐらい大学に行っていますか

私は、週5行っていますが、週2,3回という人もいます。

上記で述べた通り、ゼミがあれば原則参加なので最低でも週に2,3回は行かなければなりません。

研究室や個人によって異なります。

7. 研究室生活は社会に役立つ

研究室生活で、問題解決能力・論理的思考・プレゼン力といったどの仕事をする上でも必要な能力が上がることは間違いありません。

自分の能力向上と充実した研究室生活を送るためには、研究室選びから真剣に取り組むことが必要です。

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